排ガスからの廃熱回収による省エネ計算では、熱回収量と省エネ効果を評価する必要があります。一般的に用いられる計算式と計算手順は以下のとおりです。
1. 排ガスからの廃熱回収の計算式
排気ガス廃熱回収熱量(Q)は次の式で計算できます。
Q = m · c · ΔT- 質問: 回収熱量(単位:kJまたはkcal)
- メートル:排気ガスの質量流量(単位:kg/sまたはkg/h)
- c:排ガスの比熱容量(単位:kJ/(kg·℃)、一般的に乾燥空気は約1.0ですが、組成に応じて水分を調整する必要があります)
- ΔT:排熱回収装置(熱交換器など)における排ガスの温度降下(単位:℃)、すなわち入口と出口の温度差
注記排気ガス流量が体積流量(m³/sまたはm³/h)で与えられている場合は、密度(ρ)を介して質量流量に変換する必要があります。
m = V · ρこのうちρは、排気ガスの温度や組成によって決まります(例えば、常圧では100℃の空気の密度は約0.946kg/m³です)。
2. 熱交換器の効率に関する考慮事項
実際に回収される熱量は熱交換器の効率(η)の影響を受け、補正式は次のようになります。
Q実際値= η · Q- η熱交換器の熱効率(通常0.6~0.9、機器の設計と動作条件によって異なります)
- 質問: 理論上の最大熱回収
3. 省エネ効果の計算
(1)燃料節約
廃熱を燃料(天然ガス、石炭など)の代替として使用する場合、節約される燃料の量は次のようになります。
B = Qactual / ( Qfuel · ηboiler )- B: 燃料節約量(単位:kgまたはm³)
- 質問燃料: 燃料の低発熱量(単位:kJ/kgまたはkJ/m³、例えば天然ガスは約35,000 kJ/m³)
- ηボイラー:ボイラーまたは暖房機器の燃焼効率(通常0.8~0.95)
(2)エネルギーコストを節約する
省エネによる経済的メリットは次のとおりです。
C = B · P- C:コスト削減(単位:元)
- P:燃料単価(単位:元/kgまたは元/m³)
4. 計算例
工場の排ガス流量が10,000 m³/h、温度が300℃から100℃に低下し、排ガス密度が0.946 kg/m³、比熱容量が1.0 kJ/(kg·℃)、熱交換器効率が0.8、天然ガスの発熱量が35,000 kJ/m³、ボイラー効率が0.9、天然ガスの単価が3元/m³であると仮定します。
ステップ:
- 質量流量:
m = 10,000 · 0.946 = 9,460 kg/h - 理論的な熱回収:
Q = 9,460 · 1.0 · (300 - 100) = 1,892,000 kJ/h - 実際に回収された熱量:
実際の値= 0.8 · 1,892,000 = 1,513,600 kJ/h - 燃料節約:
B = 1,513,600 / (35,000 · 0.9) = 48.02 m³/h - コスト削減:
C = 48.02 · 3 = 144.06 元/時間
結果: 1時間あたり48.02 m³の天然ガスを節約し、144.06元のコストを節約します。
5. 注記
- 排気ガスの組成: 水蒸気や腐食性ガスを含む排気ガスの場合は、比熱容量や熱交換器材質の調整が必要です。
- 熱交換器タイプ一般的な廃熱回収装置(ヒートパイプ熱交換器やプレート熱交換器など)は効率が異なり、実際のパラメータに基づいて選択する必要があります。
- 動作条件:排気ガスの流量と温度は生産によって変化する可能性があるため、平均化するか動的に監視する必要があります。
- 単位変換: 単位が一貫していることを確認してください(例:kJ、kg、°C)。必要に応じて変換してください(例:1 kcal = 4.184 kJ)。
特定のケース(汚泥乾燥排ガスからの廃熱回収など)についてさらに計算や最適化が必要な場合は、詳細なパラメータ(排ガス流量、温度、組成など)をご提供ください。